マイナス金利ですが、どういう副作用があるのだろうと、以前から不気味に感じていました。
日本国の債務はGDPの200%を軽く超えているのに、金利が世界最低ゾーン。
普通はデフォルトの危機があると、金利は上昇しますし、
日本でハイパーインフレは起こる気配は感じない。
本書では、今行われている政策は「金融抑圧」と主張してます。
要するに、インフレを人為的に起こし、物価上昇・円安を誘導し、
金利で稼ぐ企業や預金生活者の富を国に所得移転し、
国の借金の埋め合わせをしているとのことです。
たしかに直接な増税のように物議を醸さないし、巧妙な手段です。
日本銀行において、量的緩和の出口議論を極力回避されているのも納得です。
やはり、これからは円安トレンドになりそうな気もします。
最後に印象に残ったのは、日本の少子高齢化について述べられていることです。
日本の保育園制度は先進国の中でも実は恵まれている。
ありがたい制度があっても、子供が増える決定打にならない。
明日にも日本が破綻することはないが、このような不均衡が拡大し続けていて長期的にとんでもないことが起こるのではないだろうか?
という不安を若者は漠然と感じているのではないかと、本書では述べられています、
歴史を見るかぎり、国は信用してはいけないと思う。
将来が少し怖くなってしまう(やっぱり、仕事頑張ろうと思う)、そんな本でした。