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【読書】「常勝投資家が予測する日本の未来 玉川陽介」を読んだ

この本は2018年に書かれたもので、投資家の玉川氏が2025年の日本を予想しています。

 

【本書の紹介文の引用】

・義務教育に金融リテラシーが追加される
・一億総契約社員化、兼業が当たり前に
・アジア人富裕層の経済移民がやってくる
・「技術力でつくる」産業の育成が国策に

負けない投資家による、未来への処方箋。

 

現在は2023年なので、2025年はもうすぐですね。
未来の出来事を完全に予測することは不可能ですが、一流の投資家は未来を予想する能力を持っており、それをいくつか当てることで利益を得ることができるのだろうと感じました。

 

この本では、金融緩和によってデフレが解消され、過去最高の経済循環が訪れると予測しています。
確かに現在、予想通りのインフレが起こり、物価は急速に上昇していますが、実質賃金は予想とは逆に下がっています。
本書ではインフレタックスという概念も触れられており、これは当たっているように思います。
現在の政府や日銀は物価の安定よりも財政赤字の解消(つまり、インフレによって実質的な価値を減らすこと)を陰では重視しているように見えます。

このような状況から考えると、円安が進む状況は続くだろうと予想します。
著書でも「お金は墓場に持っていけない」「使ってこそ価値がある」と書かれていますが、現在のインフレを見ていると、そのような気がしてきます。

 

現在の日本株は上昇傾向にありますが、企業の実態は過去とあまり変わっていないように感じます。たとえバフェットが買ったとしても、実質的には変わりません。
私はこの相場がいつまで続くのかについては、慎重な見方をしています。

 

また、著書では景気の循環を作るために外国人労働者を活用することについても言及しています。
景気が低迷している時には経済移民を増やし、余裕がある時には減らすなど、規制を調整するアイデアを述べています。
確かに将来的には人口が減少することを考えると、外国人労働者を感情的に排斥するのではなく、合理的な対策が必要だと感じます。

印象に残ったのは、日本の教育に関する部分です。
この本では、日本の教育制度が主にワーカーとしての利用価値を重視していると指摘されています。
しかし、足りていないのは、主体的に臨機応変に現場の問題に対処する能力や、答えのない課題を克服するトレーニングが不足していると言われています。
私自身も仕事をしていて、同感です。
著者は「アジアの人を相手に思うことは、本質的には世界の経済とは、自分と家族の繁栄を賭けた世界の富の奪い合いだ」と述べています。
日本に来ている外国の人を見ていると、仕事や金儲けに関する貪欲さが違うようにも感じます。

企業で真面目に働く人と事業家は得点の稼ぎ方が異なる、事業家はコツコツでなく満塁ホームランを目指し続けるとのことです。
何故かというと、ビジネスの成果は最終的にお金という定量的なものに帰結するからだ、とのことです。
コツコツ努力は重要かもしれませんが、見極めや大事な点に集中することの方が成果を出すためには、むしろ重要なのかもしれません。

この本は、予測が当たるかどうかよりも、現在の社会システムが抱える課題に対してどのように適切に解決すべきかが述べられており、将来の日本を考える上で非常に参考になると感じました。