中国の地理や暮らし、共産党、歴史、抱える問題など、
図解でわかりやすく読める本です。
気になった点と所感をまとめてみました。
●都市のマンションでバブル
2008年の北京五輪を機に不動産バブルが始まったそうです。
中国の爆買いや、持っている不動産を担保に日本の不動産購入など、
なんとなくお金持っている人がたくさんいるのは、このあたりが背景ではないでしょうか。
政府も過熱する市場を抑えるために規制をかけたりしてますが、
やりすぎると市場が低迷するので、かじ取りが難しいのかもしれません。
●都市と農村の分離が格差問題のルーツ
中国には「農村戸籍」と「都市戸籍」があります。
農業生産を担う農民の移動を制限することを目的としてます。
工業の発展により都市労働者は豊かになり、両者に収入、教育、社会保障、医療など多岐にわたる分野で、大きな格差が生じるようになりました。
将来的に戸籍も統一される方向のようですが、社会保障に結びついているだけに、そう簡単ではないようです。
●国内の経済格差
全国の1%を占める富裕層が国民財産の3分の1を所有し、25%を占める家庭が占める末端家庭が所有するのは1%前後にすぎないそうです。
日本以上に格差社会が進んでいるようです。
不動産や戸籍で差がつくのは、なんとなく公平感がないですね。
●便利と監視のトレードオフ
中国のIT技術の発展はめざましく、AIを使った最先端技術の導入が進められました。
アリババなどECサイト、スマホでのモバイル決算、無人コンビニなど、集められたデータから顧客一人一人に対して、きめ細かいサービスを実現してます。
一方で、個人情報を最も活用しているのは、中国の公安局です。
犯罪容疑者のビッグデータと、AI監視カメラ、GPS、顔認識でデータベースと照合して、該当者を探し当てます。
公衆電話の声だけでテロリストの特定までできるそうです。
ちょっと怖い社会ですね。。やっぱり住みたくはないです。。
●共産党が恐れるもの
中国の財政支出を見ると、国防費と相対する形で公共安全費という国内治安維持費があります。こちらが公共安全費は国防費を上回ってます。
過去中国の歴代王朝は、民衆の蜂起によって滅亡してますが、中国共産党が恐れているのは民衆の蜂起のようです。
中国共産党の存在意義として「抗日」があるので、地政学的にはやはり気になります存在です。
中国の現在を、いろんな角度で見ると面白いです。
隣国のことをもっと知りたくなりました。