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【読書】「投資と金融がわかりたい人のためのファイナンス理論入門」を読んだ

本書では、資産運用のプロが何を考えて投資を行っているのかを一冊にまとめたものです。特にポートフォリオ理論の説明がわかりやすかったので、解説します。

 

ポートフォリオ理論とは

ポートフォリオ理論とは、資産の組み合わせを合理的に決めることを言います。

リターンはリスクの対価として得られるものであり、ポートフォリオ理論では、いかにしてポートフォリオのリターンを安定させるかということに重点が置かれています。

では、どうすればポートフォリオのリターンを安定させることができるのでしょうか?

 

②資本資産価格モデル(CAPM

ポートフォリオ理論の中で最も基本的な理論が、資本資産価格モデル(CAPM)です。

CAPMでは、全ての資産を「無リスク資産」と「リスク資産」にわけて考えます。

この枠組みで考えると、ポートフォリオを構築するという課題は、①リスク性資産の中で何をどれだけ保有するか、②無リスク資産を何割、リスク性資産を何割保有するか、という課題に分解して考えることができます。 

➀については、リスク性資産の構成比率は市場ポートフォリオと一致させるべきというのが、CAPMの結論です。

同じ期待リターンを持つポートフォリオの中で、最も標準偏差が小さい(リターンのブレが小さい)ポートフォリオが並んでいる線のことを、最も効率的なポートフォリオ(つまり、小さなリスクで稼ぐことができるポートフォリオが集まっている最前線)という意味で、効率的フロンティアと呼びます。

CAPMの場合、投資判断における最も本質的な要素は「いくら儲かりそうか(期待リターン)」「リターンはどれくらいブレるか」(標準偏差)だと考え、他の要素を大胆に切り落としてしまったわけです。 

市場ポートフォリオですが、実際は、不動産や未上場株式など情報公開が極めて限定的で市場の全貌がよくわからない資産も含まれているため、真の意味での「市場ポートフォリオ」を知るのは難しいです。

実務の世界では、それぞれの資産クラスを代表する市場インデックスを市場ポートフォリオの代替とみなしているそうです。

 

②については、投資家によって異なってよいとしてます。投資家のリスク回避性が高いほど、つまり、安全性を重視するほど、無リスク資産の割合を高くするべきと考えます。

組み合わせ比率を変えることで、ポートフォリオ全体のリスクを調整することが可能です。

インデックス投資がアクティブ投資に勝つようなことが言われてますが、CAPMの考え方が土台にあるのかと考えます。

自身のポートフォリオについて、正確な期待リターンや標準偏差はわからないはずですが、どの程度なのかは意識しておいたほうがよいかなと思いました。

 

③トータルウェルスを考える

大切なことは、理論を忠実に実装することでなく、理論が提供してくれるアイデアを活かし、自分たちの状況にあった投資戦略に落とし込んでいくことです。

人間自身も資産の一種と考えることができます。人間を資産と捉えた時の価値のことをヒューマンキャピタルと呼びます。

公務員のヒューマンキャピタルは、格付けの高い債券に似ている。金融資産の方では、株式等の比較的リスクの高い資産を多めに持ち、ポートフォリオの期待リターンを高める戦略が有効という考え方ができます。

 

結局、リスクを積極的に取る場合、どこかで安定させる必要があるのかと思います。

現状のような上昇相場だと、もっとリスク資産を増やしたほうがよいのでは、と欲がでる時もありますが、資産運用の目的を意識し、ヒューマンキャピタルもあわせてでリスクを取りすぎないようバランスを意識していきたいと、本書を読んで改めて考えました。 

 

 

 

(おまけ)

こちらの記事もお読みください。

 

minmin2020.hatenablog.com