MMT理論が理解できる本です。
本書では、日本経済が成長しなくなったのは、明らかに政府の経済運営の誤りとのことです。
インフレ対策とデフレ対策を巧みに使い分けて、ちょうどいい塩梅のインフレを維持することを目指して、経済のかじ取りをしなかればならないのに、デフレなのに「インフレ対策」をしてきたというのが、本書の主張です。
以下、引用です。
現象 | インフレ | デフレ |
原因 | 需要>供給 | 需要<供給 |
対策 | 需要抑制 供給拡大 |
需要拡大 供給抑制 |
政策目標 | 物価安定・賃金抑制 | 雇用の目標・賃金上昇 |
政策(需要) | 小さな政府、緊縮財政、増税、金融引き締め | 大きな政府、積極財政、現在、金融緩和 |
政策(供給) | 競争促進・生産性の向上、グローバル化の促進 | 競争抑制、グローバル化の抑制 |
イデオロギー | 新自由主義 | 民主社会主義 |
時代 | 1970年代 | 1930年代、現在 |
日本では、金融緩和以外、デフレ対策でなく逆のインフレ対策をやってきているとのことです。
消費税の増税は、まさにそうでしょう。財政支出の拡大もやってはいないとのことです。
確かに過去の歴史を見ると、アメリカの1930年代の大恐慌の後、ブロック経済やニューディール政策、その後に第二次世界大戦と景気が上向いてます。
現在のアメリカのインフレも、コロナ対策や対中貿易戦争、トランプ大統領の自国保護政策の結果なのかもしれません。
MMT理論は、反対論者が多いと理解してます。お金持ちの人は、デフレのほうが実はうれしいのかもですね。インフレは資産が目減りしていくのと同じことですし。
これが天動説なのか地動説なのか。
平成の日本だけが成長しない結果を見ると、「地動説」なのかもしれない、そんな予感もします。
こちらは財政健全派の主張。どちらが正しいのでしょうか。