タイトル通り、お寺の世界にマーケティングの発想を入れた話です。
寺の業界ですが、儲かっているイメージがあったのですが、寺離れの危機感がまず語られています。
都市部への人口集中、少子高齢化、核家族化、何よりも価値観の変化で日本に7万7000あると言われる寺のおよそ3割が20年後にはなくなると予測されているそうです。
著者は、銀行勤務を経て、コンサル会社を経営し、50歳で僧籍を取得した人です。
プロダクトアウト(あるものを売る)の発想から、マーケットイン(顧客がほしいものを売る)の発想で改革を実施しました。
特に関心したのは、合同墓のアイデアです。
自分の場合を思い浮かべると、お寺と接点があるのは、やはり葬式でしょうか。
葬式って、なくならないとは思うのですが、簡略化したいニーズは根強い気がします。故人を送るのはもちろんのこと、生きている家族のための儀式だと思います。
合同墓というのは、葬式を簡略化したいニーズ、気軽るに墓参りしたいニーズ、お墓にお金をかけたくないニーズにこたえたもので、マーケットインの発想になります。
私も自分たちの都合だけで、クライアントへの提案を考えがちなこともあるのですが、マーケットインの発想で考えていきたい、とこの本を読んで感じました。