本書では、医療ミスや、航空機事故などの事例をもとに、「失敗から学びましょう」ということが書かれています。
医療ミスは責任問題があるため、ミスが表沙汰になりにくいです。これだと失敗との向き合いから学ぶプロセスが欠けてしまいます。
一方、航空機は破壊不可能なブラックボックスに、飛行データとコックピット内の音声が録音されており、事故があれば。このブラックボックスが回収、データ分析によって原因が究明され、二度と失敗が起こらないよう速やかに対策がとられます。
この仕組みによって、航空業界は圧倒的な安全記録を達成しているそうです。
私の仕事のシステム開発でも同じことが言えます。
失敗したプロジェクトは、顧客の問題や、開発メンバーのスキルの問題にすりかえがちです。
最後、リカバリーしてプロジェクトが終わった後、プロジェクトXのような美談にすることも多いです。
失敗プロジェクトから学ぶことは多く、そこからの「べからず」は大事です。
また、リーダーの判断力が落ちるシチュエーションが本書では描かれています。
リーダーは自分が絶対な存在ではなく、まわりの人からの話に耳を傾けることが大事なのでしょう。
試行錯誤から学ぶことの大事さが、あらためて分かる良書です。