前作が面白かったので、続編の本書を読みました。
創業者一族追放のドロドロの話もありました。
【紹介文の引用】
カジノで106億8000万円を失い、会長辞任、獄中へ。
そして懲役4年の刑期満了後に、再びカジノへ。リベンジの舞台は韓国ソウルの「WALKERHILL」
3000万円が9億円にまで増えるマジックモーメント(奇跡の時間)を迎える。
果たして、負けを取り戻す夢物語か、破滅への一里塚か。
ギャンブラー井川意高によるバカラ放蕩記。
しかしその裏ではギャンブルよりも血がたぎる、現会長佐光一派による井川家排除のクーデターが実行されていた。
「大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。「他人のカネ300億円で買った社長の座」は、さぞかし温く心地良いことであろう。これこそ特別責任ではないか。しかも、私の金額の3倍である。有罪とすれば懲役12年だ。」(本文より)
大王製紙を舞台にした血みどろ裏切りノンフィクション!
刑務所の3年間で、人生の折り返し時点で、知的インプットと体質改善が図れたとのことです。この前向きさが、なんとも逞しいです。
・経営者のときに仕事に直結する勉強は怠らなかったが、刑務所では直結しない教養を深める時間に使った
・74キロから62キロで獄中ダイエット。物理的強制力はすごい。
・10年延びた寿命。きれいにリセットされた。獄中で精力と知識を再チャージした。
中興の祖である父親が追放されるくだりは、歴史にあるような話です。企業の継承はいろんな本を読みましたが、本当にドロドロしてますね。。
父親の兄弟も、追い出すほうに回ったそうです。長男総どりに不満があったというのが著者の分析です。
ちなみに著者の母親が、裏切った父親の弟のことを穴山梅雪みたいな人と例えていたそうです。
まあ、ギャンブルで100億の使い込みは、なかなか痛い失敗で、著者に根本原因はあるかと思います。
【この本で共感した名言】
安倍総理との想い出の話がありました。
彼はアドレス帳を3色に色分けしていたそうです。
・赤色:総理をやめて、とたんに挨拶もしなくなった人
・黄色:2回目の総理になってときに付き合いが始まった人
・青色:総理になる前もやめた後もかわらず付き合ってくれた人
私も同じような経験はあるので、「なるほどなあ」と思いました。
【評価】
90点。著者の本は面白いです!
こちらロッテ創業者が追放された本の記事です。
著者の前作の記事です。