戦国武将の短編集ですが、面白かったです。
織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼。
戦国時代を駆け抜けた6人の真の姿を描き切る。
『天地明察』『光圀伝』と傑作を残してきた著者の、新たな代表作。
少し紹介すると、関ケ原の戦いで西軍を裏切った武将、小早川秀秋の話。
彼は自分の利発なところを、生き延びるために暗愚を装っている人間として描かれています。最後、これから邪魔になるであろう武将として、家康に毒殺されるという話です。
毒殺はフィクションな気がします。
ちなみに加藤清正など豊臣恩顧の武将が、1611年あたり次々病気で死んでいく毒殺説が、よく歴史小説で描かれていますが、一説には梅毒が流行したそうです。
まあ豊臣を本当につぶしたいなら、関ケ原の後、そのまま攻めていると思いますし、さすがに10何年も待たないのではないでしょうか。
豊臣恩顧の武将が次々いなくなった状況から、家康は今こそ豊臣家を潰せるタイミングと考えて、大阪の陣につながっていったのではないでしょうか。
いろんな妄想ができるのが、歴史小説の面白いところ。
単なる短編集でなく、別々の話のようで、少しづつ話がつながっていて、面白い作品でした。