仙石秀久という無名の武将を主人公とした漫画ですが、最終巻を読み終わりました。
10年以上読み続けていて、コミックの発売日にいつも購入していた漫画なので、少し寂しいです。
仙石秀久から見た織田信長やと豊臣秀吉など戦国武将が魅力的に描かれている点と、仙石秀久自身の活躍が描かれています。
仙石秀久は、豊臣秀吉配下の武将で早い段階で出世した人ですが、
九州征伐で秀吉の命令を破り、島津軍と「戸次川の戦い」で大敗して改易されました。
その後、小田原征伐が起こると、帰参した旧臣と浪人衆を率いて大活躍し、大名に返り咲きました。
2代将軍の徳川秀忠に信頼せれ、準譜代大名的な扱いを受けたと言われています。
この漫画の魅力ですが、以下のとおりです。
●歴史好きにはたまらない
武将のキャラが魅力的に描かれています。
作者自体の通説で描かれている点もあります。
作者は本作品を描くにあたって多くの一次史料や研究書を用いています。各巻の巻末には信長公記、甲陽軍鑑、日本史(ルイス・フロイス)、日本戦史(陸軍参謀本部)、改選 戦国家譜、雑兵物語、細川幽斎覚書など信頼性の高い一次史料の名を連ねています。
●失敗からの挽回、継続力
私自身、自分の人生に置き換えて、彼を応援している面もありました。
彼は何度か失敗してますが、くじけず挽回します。
大名から改易されてからの返り咲きは、まさに「戦国史上、最も失敗し、最も挽回した男」でしょう。
青年期は猪武者だったのが、切磋琢磨して、ずぶとい人間に成長していきます。
仕事でもそうですが、失敗を糧にして学ぶ力があるか、継続する意志を持ち続けるかが大事だと思います。
●中だるみのない長期連載
漫画の長期連載ですが、強引な話のこじつけ、中だるみなど、
初期は面白かったのに、だんだん面白くなくなることが多い印象です。(特に週刊ジャンプの漫画)
歴史が題材であり結論となる出来事が決まっていることもあるからか、
そういった点もなく、むしろシリーズを重ねるに連れて、ますます面白くなってきました。
作者 宮下秀樹さん自身も、この作品とともに成長されていたのかと思います。
この漫画が終わったのは非常に残念ですが、再度、読み返ししたいです。