戦国武将「宇喜多 直家」をご存じでしょうか?
直家を主人公とした小説で、非常に面白かったです。
暗殺・裏切りなんでもありの、まさに「梟雄」のイメージでしたが、
本作では違った姿で描かれています。
もともと一城の主であった宇喜多家ですが、策謀により直家の祖父は自死し、
一家は流浪の身になり、商人の家に匿われて育ちます。
直家は、育てられた商人の影響を受け、
商人的な合理的な思考で、「戦争は計略により勝つ」、「商業で国を富ませる」など、商人的な視点を持つ武将に育ちます。
そして、織田や毛利といった大勢力に囲まれる中で、50万石の大名として生き残ります。
本作では、直家を若いときに必ずしも幸せでない厳しい環境に育ったことで、
「他人の心理を読むのに長けている」、「慎重にリスクを見極める」
といった資質を持つことになったように描かれてます。
また、自分の子供には、自分と違った人間に育ってほしいと考えていることは、親として共感できます。
面白かったので、一気読みしました。